イントロダクション 4/6(金) 初回は必ず出席すること
○ 授業の進め方
○「企業と社会」論の対象と視点:何をどのように捉えるか
対象:Sustainable Developmentへの潮流/期待、企業に求められる新しい役割・責任、企業とステイクホルダーとの関係、CSR経営、公共政策
視点:企業社会システム論(システムの構造化と変革プロセス)、マネジメントへのSustainability概念の組み込み
【Ⅰ】企業とステイクホルダーの関係:企業は誰のために、何のために存在するのか。企業とステイクホルダー(投資家/株主、消費者/顧客、従業員/労組、NPO/NGO、地域社会、政府など)との関係をどのように捉えるか。ステイクホルダー理論を検討した上で、日本の企業社会の構造と変化について概観する。今後、ステイクホルダーとのエンゲージメントが重要になっていることも確認する。
○ 会社は誰のものか・誰のためのものか、企業モデルの変遷
○ ステイクホルダー理論
○ 日本における企業とステイクホルダーの関係(歴史的な関係性と構造変化)
○ステイクホルダー・マネジメント、ステイクホルダー・エンゲージメント
テキスト:第1章、第4章、参考書:①、②
【Ⅱ】企業の社会的責任(CSR)で問われること:グローバルに議論されているCSRについて、その背景、理論を踏まえた上で、企業経営上の課題について考える。その上で、グローバルな潮流、日本における動向と課題などを検討する。またできれば、実際にCSR経営の現場に携わっている企業の担当者に直接語ってもらい、ディスカッションする予定である。
○ CSRとは何か:定義と理論
○ 90年代以降のグローバルな動向
○ 日本企業の動向、CSR経営
○ 国際規格の動向(国際機関/国連/NGO)(ISO26000、UNGC、GRIなど)
○ CSRとコーポレート・ガバナンス
○ 個別課題(Climate Change, Diversity, Human Rights, Supply Chainなどにかかわる経営課題)
○ 事例研究-(未定)
◇ ワークショップ1:サプライチェーン(事前に課題が提示されます)
関連サイト:
Business for Social Responsibility(アメリカのCSRに関する大企業のネットワーク:
San Francisco、NPO)http://www.bsr.org/
AccountAbility(イギリスのCSRに関するシンクタンク:London, NPO)
http://www.accountability.org.uk/
CSR Europe(EUにおけるCSRに関する大企業のネットワーク:Brussels)
http://www.csreurope.org/
ISO社会的責任規格 http://www.iso.org/sr
UN Global Compact(国連の社会的に責任ある企業行動規範:NewYork)
http://www.unglobalcompact.org/
人権デューディリジェンス、日本弁護士連合会ガイダンス
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2015/150107_2.html
テキスト:第2章、第6章、参考書:①、②
◆小テスト
【Ⅲ】企業の社会貢献活動の動向:企業はなぜ、どのように社会貢献活動を行っているのか。企業は、限られた資源を有効に活用するため戦略的フィランソロピーに取り組んだり、企業の強みを生かし足りないところを補強するため、NPOとの協働(コラボレーション)にも取り組んでいる。またマーケティング手法を活用した社会貢献活動の取り組みも広がっており、多様な取り組みを検討する。
○ 背景・基礎的理解
○ 戦略的フィランソロピーとは何か
○ コーズ・リレイティッド・マーケティング(CRM)
◇ ワークショップ2:CRMの可能性 (事前に課題が提示されます)
テキスト:第5章、
参考書:Porter, M.E. and Kramer, M.R.(2002) “The Competitive Advantage of
Corporate Philanthropy,” Harvard Business Review, December, pp.5-16.
【Ⅳ】ソーシャル・ビジネスの可能性:社会的課題の解決をビジネスとして取り組む社会的企業を取り上げる。その背景、理論を踏まえ、事例を分析する。またそこでの中心概念であるソーシャル・イノベーションがいかに生まれ、広がっているのかについても考えていく。
○ ソーシャル・エンタープライズとは その定義と理論
○ ソーシャル・イノベーションの発生プロセス
○ 現状と政策
◇ ワークショップ3(事例研究)
◇ ワークショップ4(ソーシャルビジネスの可能性)(ショートプレゼン)
関連サイト:
Ashoka(主に途上国のソーシャル・アントレプレナー支援のネットワーク:Arlington, VA)
http://www.ashoka.org/
Social Venture Network(アメリカのソーシャルベンチャーのネットワーク:San Francisco)
http://www.svn.org/
日本ポリグル株式会社(BOPビジネス、汚水処理システムの開発) http://www.poly-glu.com/
SoooooS.(ソーシャルプロダクツの紹介サイト) http://sooooos.com/
参考書:③、谷本「ソーシャル・ビジネスとソーシャル・イノベーション」『一橋ビジネスレビュー』2009夏号
【Ⅴ】トータルな企業評価のあり方:企業が環境、社会に対して新しい役割や責任を求められ、さらにそこでの取り組みが評価される市場社会が形成されるに従い、企業評価の基準も変化しつつある。企業の非財務的な側面をどのように捉え、評価しているかについて考えていく。社会的責任投資(SRI/ESG投資)、責任投資原則(PRI)、コーポレート・レピュテーションといったテーマが取り上げられる。
○ 企業評価の新しいあり方
○ SRIとは何か、その動向
○ 金融機関のあり方
◇ ワークショップ5(SRI/ESG投資の可能性) (事前に課題が提示されます)
関連サイト:SRIに関する調査・啓蒙の組織
SIF(Social Investment Forum:Washington, DC, US) http://www.socialinvest.org/
ASrIA(Association for Sustainable & Responsible Investment in Asia:Hong Kong)
http://www.asria.org/
UKSIF(UK Sustainable Investment and Finance:London, UK) http://www.uksif.org/
EuroSIF(European Sustainable Investment Forum:Paris, EU) http://www.eurosif.org/
モーニングスターSRI-Index(東京、日本) http://www.morningstar.co.jp/sri/index.htm
UNEPFI(UNEP Financial Initiative、国連が主導するSRIの推進機関:Geneva, Switzerland)
http://www.unepfi.org/
PRI(国連が主導する「責任投資原則」:New York) http://www.unpri.org/
テキスト:第3章
【Ⅵ】政策:ローカル/グローバルな社会において、サステナビリティにかかわる諸課題(経済、環境、社会)に取り組んでいくには、個別企業の努力だけではなく、政府レベルでの政策も求められる。さらに消費者、地域住民などステイクホルダーもそれらの課題を理解し、それぞれの場で取り組んでいくことが必要である。最後のモジュールでは、サステナビリティに取り組む広い意味での公共政策について考える。
○ CSRの失敗(?)
○ 政府の取り組み、中間レベルでの取り組み
テキスト:第6章、参考書:①
◆ 小テスト |